食のコラム「北海道の郷土料理のおはなし」

6月15日は札幌まつり

6月15日は北海道神宮例祭(通称札幌まつり)。ここ数年コロナウイルス感染防止のため開催されていませんが、毎年、平安絵巻の神輿渡御や神楽など奉納行事が行われています。そしてもう一つのお楽しみは屋台。神宮はもちろん中島公園でもたくさん立ち並び、初夏の風物詩にもなっていて、皆さんも一度はお出掛けになっているのではないでしょうか。
さて、この札幌まつりの行事食があるのをご存知ですか?意外にも札幌に長く住んでいる方にも知られていないのでここでご紹介します。

札幌まつりの神輿です。神武天皇でしょうか、勇ましく動きます!/2016年6月15日岩野撮影

札幌まつりの献立

なぜこのような風習ができたのでしょう。この時期はちょうど農繁期。その年の五穀豊穣と家族の健康を祈り、昔の人々はこのお祭りをハレの日としました。お赤飯を炊き、春先に採れる山菜、旬の時鮭や桜鱒で栄養を摂り、また一番初めにできる農作物でもあり、紅白で縁起も良い二十日大根を添える献立が生まれたそうです。地域独特の献立として私たちのお料理教室でも開設当初から大切にしている献立でもあります。

料理教室プルミエールのレッスンメニュー「札幌まつりの献立」

北海道の郷土料理

他にも北海道の郷土料理の代表的なものはやはり、開拓以前から食べられている鮭を使った石狩鍋や三平汁、北海道の発展に貢献したニシンを使ったニシン漬け、北海道で豊富にとれる昆布で身欠きニシンを巻いて甘く煮た昆布巻などがあげられます。郷土料理は地域の風土がもたらす四季折々の食材で作った地域独特の食文化。今では食生活が均一化され季節を問わず食材が手に入ることや、調理技術の伝承が難しくなっていることなどから郷土料理が食べられなくなっているようですが、その土地の良さを再発見できる北海道の食文化は大切にしていきたいものですね。

料理教室でお伝えした三平汁
スタッフが仕込んだ漬けるける前のニシン漬け
食べごろのニシン漬け

北海道神宮例祭~札幌まつり2022年公式サイト