食のコラムVOL.12「牛乳のおはなし」

酪農危機の今

 値上げラッシュが続くいま“牛乳ショック”と呼ばれる事態が起こっていることは、すでに新聞や報道などでみなさんも耳にされていると思いますが、日本中の酪農が大変なことに‼コロナ禍の影響による需要減少に始まり昨年からのウクライナ情勢、円安による輸入飼料高騰、生産コスト上昇といくら搾っても赤字という危機的状況なのです。

かつてのバター不足も影響に

 10年以上前になりますが、飲料の多様化等により牛乳の需要が右肩下がりになり、生産抑制されたことが原因でバターの原料になる生乳が不足し、店頭からバターが消えました。だけど足りないからといってすぐに増やせるわけもなく、乳牛がお乳を出すには生まれて2年半かかります。その教訓から酪農家のみなさんは多額の投資をして生乳を増産し、バター不足は解消された途端にコロナ打撃で生産過多となり、またもや生産抑制、生乳廃棄…その一方で海外から乳製品が輸入されている背景もあるなど、ここには書ききれないほど課題は山積みです。

一瀬家のいつもの冷蔵庫

牛乳、乳製品、酪農家さんを守るために

 このままでは日本の酪農は疲弊し、離農、廃業してしまうと牛乳だけでなく乳製品もなくなってしまうかもしれません。では私たちができることは?まずは牛乳を飲んで応援すること、そして国産の乳製品を選ぶこと。6月1日は“世界牛乳の日”。それにちなみ日本の乳業メーカーも6月を牛乳月間として牛乳の普及活動に取り組んでいます。酪農家さんが365日休むことなく愛情たっぷりに育てられた牛さんからの自然の恵み。人が食べられない牧草を食べて私たちの栄養源に変えてくれます。いまこそ食料自給率の向上に目を向け、地産地消の牛乳、乳製品を食卓に取り入れましょう!  おはなし/一瀬美絵

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