食のコラムVOL.18 「ゆり根のおはなし」

ゆり根も生産量日本一!

この時期になると出回るゆり根。店頭でもよく見られるようになりますね。年末年始には茶碗蒸しに、きんとんにと、北海道のお正月料理にも使われることが多いゆり根。それもそのはず、このゆり根も日本の生産量のうち、真狩町を主産地とする北海道産が99%!やはり北海道は、生乳をはじめとするいろいろな農作物の生産日本一だけに、日本の食料基地北海道と呼ばれるのも納得ですね。

ゆり根の花

ゆり根の花を見たことありますか?食用のゆり根の種類はいろいろありますが、北海道の栽培されている多くはオレンジ色の花びらで黒い斑点がたくさんあるコオニユリです。私も初めて見たときは「えっ!このユリがそうだったの?」という程、子どもの頃はあちこちに咲いていて…日本のほとんどのゆり根が北海道産なのですから、原っぱがたくさんあったその昔は普通に住宅地にもオニユリの花が自生していたのでしょうね。かつては全国的に作られていたゆり根ですが、高温多湿を嫌う作物のため、次第に日本の中でも比較的涼しい北海道が主な産地になったようです。

収穫までに6年もかかるゆり根

鱗片を一枚ずつはがし、炒めても揚げても甘くてホクホクと美味しいゆり根ですが、このゆり根、実は収穫されるまでに6年もかかります。春に植えて冬に収穫し、おがくずで休ませてまた春に植えて冬に収穫し…を繰り返して3年目でようやく種になる母球ができます。それをまた同じように春に植え、秋に掘り起こし、また春に植え…を繰り返してようやく6年目で収穫となるのです。本当に時間も手間もかけられ大切に育てられるのですね!この時期しか食べられない冬の味覚、ありがたくいただきたいものですね。