食のコラムVOL.22「キャベツのおはなし」

キャベツの旬

私たちの食生活にはとても馴染みある野菜のひとつ、キャベツ。汎用性が高く、生で食べても煮ても焼いても美味しいので野菜室のレギュラーメンバーともいえますね。年間通して楽しめるので店頭にも年中並んでいますが、もはや旬がわかりにくくなっているのも事実。実はキャベツの旬は春、夏、冬の三回もあり、その品種もそれぞれ違うのです。

春キャベツ

春、夏、冬、それぞれの顔をもつキャベツ

古くはヨーロッパで胃腸を整えるための薬草として食べられてきたキャベツですが、日本にやってきたのは江戸時代だとか。もともとは冷涼な地域で栽培され、巻きが固い加熱調理向きの冬キャベツが主流でしたが、明治時代に入ると洋風文化が進み、サラダなどの生食が増えたことにより、葉が柔らかく巻きもゆるい春キャベツが生産されるようになりました。年に2回生産されるようになったキャベツも時代が進むと冬キャベツの葉の厚みと甘味、春キャベツの柔らかさを兼ね揃えた夏から秋まで生産される夏キャベツが登場。こうしてキャベツは一年中食べられるようになりました。季節に合った料理があるようにキャベツにも適材適所があるのですね!

春は春野菜を積極的に食べよう!

 春は気温差や環境の変化で自律神経が乱れやすい季節。そんな春の不調には、肝機能を整え体の中からメンテナンスができる春野菜が良いといわれています。春キャベツもそのひとつ。自律神経を整える上で必要なビタミンやミネラルはもちろん、胃粘膜を保護するビタミンUも豊富で体の余分が熱を取り除き、肝機能を高める効果あり。身近に手に入る春キャベツを上手に取り入れ、春の不調を緩和しましょう!  おはなし:一瀬美絵