食のコラムVOL.14「昆布のおはなし」

日本中のほとんどが道産昆布

夏に海辺を車で走らせると天日干ししている昆布。道民には夏の風物詩ともいえるくらいよく見かける光景ですが、日本で生産されている昆布のなんと90%が北海道産!全国各地でその土地の風土に合ったご当地醤油がありますが、北海道は「昆布醤油」というのも納得ですね。

天日干し中の昆布

産地と種類

北海道の昆布と一口でいっても種類は豊富で実に9種類!海に囲まれている地形に沿うように産地があります。まず南は函館の真昆布、がごめ昆布。続いて南東の日高昆布と三石昆布。三石昆布は道南~釧路までの4地域で生産されており、日高地方で生産されたものだけが日高昆布と呼ばれています。また道東では羅臼地方の羅臼昆布。少し下がって釧路や根室の長昆布に厚葉昆布。道北では宗谷、利尻・礼文島で獲れる利尻昆布。最後は北海道西部一帯、日本海で獲れる細目昆布。海流や生育環境の違いで特徴も違うという北海道の昆布。やはり北海道は広いですね。

海の中の利尻昆布

用途と効能

用途としては、濃い旨味とコクを出したいおでんや鍋物ならだしの王様と呼ばれる羅臼昆布。だしだけではなく様々な用途に使えるのは日高昆布。煮込むと柔らかくなるので昆布巻きにもオススメ。またかつおや煮干しとの合わせだしにするなら主張しすぎない香りとコクの真昆布や利尻昆布がピッタリ。だしのイメージが強い昆布ですが、だしを取ったら用済み?いえいえ昆布は栄養たっぷり!豊富なグルタミン酸は疲労回復や脳を活性化する作用、近年注目されているネバネバ成分フコイダンは免疫力向上、抗酸化作用の効能があり。また新陳代謝を高めるヨウ素等々、捨てるのはもったいない食材です。豪快にそのまま、また佃煮など工夫していただきましょう!   おはなし:一瀬美絵

出汁用昆布だって栄養たっぷり!