食のコラムVOL.17 「ほっけのおはなし」

ホッケの旬

ホッケの美味しい時期ですね。ホッケの旬は7月~11月。産卵のために餌をたっぷり食べ、秋から冬にかけて沿岸にやってくるため、ちょうど脂乗りのいい時期に漁獲されるのだそう。日本のホッケの漁獲量のうち、北海道は99%を占めるほどですから北海道民にはあまりにも馴染み深い魚といえますね。ですがその生態まで知られていないのも事実。そんなホッケの知られざるトリビアを紹介します。

ホッケ柱

魚には体を浮かせるため浮き袋を持つものと持たないものがあります。ホッケは浮き袋を持たない魚。なぜなら普段は水深100m程の海底に棲み、水生生物や甲殻類、プランクトン等を餌にして暮らしています。しかしある時季になると餌を食べるために海面へ上がってくるのだとか。では浮き袋がないのにどのように海面まで上がってくるのか。なんと群れをなして上向きに泳ぎ大きな渦巻きを作って水流を起こし、そうすることによってカモメなどの天敵にも襲われることなく餌にありつくそうです。これが春にみられるホッケ柱。その大きさは3~5m、高さ15~20m程、数万匹のホッケによって作られるそうです。何とも圧巻ですね!

魚種が変わってきている北海道

様々な要因によりいま北海道で獲れる魚の種類が変わってきています。一番の原因は温暖化の影響で海水温が上昇、以前は北海道沿岸で魚が獲れていた魚が獲れなくなり本州で獲れていたものが上がっています。魚は良質なタンパク質、脳の発達や血液サラサラ効果のあるDHA、EPA、そしてホッケには特に、カルシウムを吸収するためのビタミンDや末梢神経の修復に役立つビタミンB12が豊富。開きだけでなくフライや煮つけでも美味しいホッケ。旬の時季こそ味わいたいですね。(おはなし/一瀬美絵)