食のコラムVOL.23「菜の花のおはなし」

5月は菜の花の季節

北海道の菜の花といえば滝川市の「菜の花まつり」がとっても有名ですね。広大な菜の花畑が一面、黄色い絨毯になり、それは見事な景観となるため毎年多くの観光客が訪れています。“菜の花”という名称はアブラナ科アブラナ属の総称。おひたしなどで食べるものも“菜の花”と呼びますが、こちらは食用として品種改良されたもので菜花とも呼ばれます。それに対し「菜の花まつり」の“菜の花”は花が終わったあとにできる種を油の原料にするため、本来の目的は搾油なのです。

菜種油の効能

搾油用菜の花からできる種はナタネと呼ぶので菜の花自体をナタネの花といわれています。菜種油は悪玉コレステロールを減らしてくれるオレイン酸が豊富。動脈硬化を防ぎ、血管を丈夫にします。また抗酸化作用がありアンチエイジング効果も!ちなみに一般的なサラダ油も多くはナタネで作られますがほとんどが輸入原料となっています。

ナタネの食料自給率

実はナタネの自給率は驚きの約0.2%!国内ではほぼ生産されていません。ではどこで作られているのでしょう?なんと北海道が約8割とダントツの一位!そして言うまでもなく滝川が一大産地なのです。つまり滝川のナタネは日本一の生産量とも言えますね。私たちの食料には加工食品や畜産飼料など目に見えないところで輸入原料が使用されていることにより、昨今の気候変動や世界情勢の変化等に伴う円安で物価高に悩まされる毎日。そんな中、国産食材を応援する動きがあります。地場産業を守ることは私たちの食を守るとともに、不測の事態に備えることにも繋がりますね!今年の「菜の花まつり」は見て楽しむのはもちろん、お土産には菜種油で生産者さんを応援しましょう!(おはなし/一瀬美絵)