行事食とは
新しい年が始まりますね。元旦に始まる1月。そして元旦といえばおせち料理。一つ一つに意味があり、家族の一年の幸せを祈りながらいただきます、このように季節の行事に食べる特別な料理のことを行事食といい、家族の健康や幸せを願う意味が込められています。日本は年中行事が多い国。それは古くから日本人は四季折々を楽しむとともに自然への畏敬の念をもち、信仰心の強い日本人特有の感受性によるものとか。そして日本が古くから農業国であることが理由とされています。
1月は年中行事目白押し
1月の行事食と聞いて思い浮かぶものは何でしょう。元旦以外には7日の人日の節句、あるいは七草の節句に食べる「七草粥」、また11日の鏡開きには「お汁粉」などのおもち料理…こんな行事食はみなさんも毎年食べたり、または経験がある方が多いかと思います。実はこれ以外にもまだまだあり。三が日最後の3日に食べる「三日とろろ」はご馳走続きで負担のかかった胃腸を休ませながらとろろの粘りにあやかり長寿を祈る意味があるそう。またどんど焼きがある15日は小正月といって「小豆粥」を食べ、一年の無病息災、五穀豊穣を祈る風習もあります。さらに20日頃には二十四節気の大寒もあり、一年で一番寒いこの日に産まれた卵は栄養豊富で縁起も良いとされる「大寒卵」もあります。1月は行事が目白押しですね。
大切にしたい行事食
日々忙しく、年中行事や行事食を楽しむことが薄れつつある現代ではありますが、行事食は気候風土豊かな日本の食文化として今日まで伝え続けられています。その意味を考えながら家族でいただくのは心も豊かになり、大切にしたいものですね。みなさんの一年が良きものになりますように。 おはなし 一瀬美絵